以前から、「みずほ銀行のカードなのに、発行会社は楽天カード」というみずほ楽天カードが少し気になっていました。
わが家の家計は楽天銀行+楽天カードにまとめています。筆者ひとりのカードなら、気になった時点で試していたかもしれません。家計用のカードとなると、配偶者にもカードを変えてもらい、引き落としや明細の見方もそろえる必要があります。
みずほ楽天カードだけを追加しても、引き落としのために毎月みずほ銀行へお金を移すことになります。家族まで巻き込んでカードを1枚増やすほどではない、というのがこれまでの印象でした。
その印象が変わったのが、2026年9月からのポイント強化です。通常の楽天ポイント1%に加えて、同じポイント数のみずほポイントが付くようになり、日常のカード利用が最大合計2%還元になりました。
2%なら話は変わります。カードだけ差し替えるより、家計のメイン口座そのものをみずほ銀行へ移した方が運用もすっきりするのではないか。そう考えて、楽天銀行と比べ直してみました。
調べた限りでは、筆者の使い方ならかなり移行しやすそうです。楽天銀行は今でも優秀ですが、家計口座として使う筆者は、その強みをあまり使えていませんでした。
この記事は2026年9月時点の公式情報を基準にしています。キャンペーンは変動が大きいため、基本スペックの比較を中心にしました。
きっかけは、日常決済が最大2%になったこと
みずほ楽天カードは、楽天カード株式会社が発行する年会費無料のカードです。引き落とし口座はみずほ銀行に限定されています。
2026年9月からは、通常のカード利用で楽天ポイント1%に加えて、みずほポイントも同じポイント数が進呈されます。100円利用なら楽天ポイント1ポイント+みずほポイント1ポイントで、最大合計2%です。
みずほポイントは楽天ポイントへ1:1で交換できます。PayPayポイントやdポイント、Amazonギフトカードなどにも1ポイント=1円相当で交換できるため、独自ポイントだからと大きく割り引いて考える必要はなさそうです。
楽天ポイントへ自動でまとまるわけではなく、交換操作は必要です。楽天カード側でポイント対象外だったり還元率が低かったりする利用先は、みずほポイント側も同様の扱いになります。
それを差し引いても、家計の通常決済が1%から最大2%になる差は大きいです。1%対象の支払いを月10万円しているなら、増える還元は年間約1万2,000円。月20万円なら約2万4,000円になります。
家計口座として考えると、預金金利のわずかな差より、こちらの方が効きやすそうです。
楽天銀行の預金金利は強い。でも、わが家ではそこを生かしていない
銀行単体で見れば、楽天銀行の金利はかなり魅力があります。
楽天銀行の普通預金は通常年0.40%。楽天カードの引き落としがある場合は年0.42%、楽天証券とのマネーブリッジを設定すると、1,000万円以下の部分は年0.48%です。
みずほ銀行の普通預金金利は2026年8月から年0.40%です。普通預金にまとまった現金を置き、マネーブリッジまで活用するなら楽天銀行に分があります。
筆者の場合、楽天銀行は家族の家計口座です。楽天証券へ入れる大きな待機資金を置いているわけではなく、証券への資金移動も今はクレジットカード積立が中心。マネーブリッジ金利は、家計口座ではあまり生かせていません。
0.48%と0.40%の差は税引前で0.08ポイントです。100万円あたり年間800円、300万円でも2,400円。家計口座に置く残高がそれほど大きくなければ、通常決済の還元差の方が大きくなりやすい計算です。
楽天証券のクレカ積立も、みずほ楽天カードの方が強い
楽天証券を使っているので、銀行も楽天銀行のままにした方が自然だと思っていました。
ところが、筆者が楽天証券へ入金する手段は今やほぼクレカ積立です。この部分はみずほ楽天カードの方が還元率で有利でした。
楽天証券のクレカ積立では、代行手数料が年率0.4%未満の低コスト投信の場合、通常の楽天カードは楽天ポイント0.5%。みずほ楽天カードなら同じ0.5%分のみずほポイントも付くため、最大合計1%になります。
代行手数料が年率0.4%以上の対象ファンドでは、楽天ポイント1%+みずほポイント1%で最大合計2%です。
低コスト投信を月10万円積み立てる場合、通常の楽天カードとの差は年間約6,000円相当になります。
楽天証券へ現金を頻繁に入出金するなら、楽天銀行との連携は便利です。筆者のようにクレカ積立が中心なら、証券会社が楽天だから家計口座も楽天銀行にしておく、という必然性はかなり薄くなります。
気になるのは楽天銀行SPU。倍率を追い続けるのにも少し疲れた
みずほ楽天カードも、楽天市場の楽天カード特典「+1倍」の対象です。ここは通常の楽天カードと変わりません。
失うのは楽天銀行のSPUです。楽天銀行から楽天カード利用代金を引き落とすと楽天市場で+0.3倍、さらに給与・賞与・年金の受け取りまであれば+0.2倍で、合計最大+0.5倍になります。
ここは少し惜しい。
最大+0.5倍でも、楽天市場で月3万円利用するなら年間約1,800ポイント、月5万円なら約3,000ポイントです。通常カード決済の還元が+1%増えることを考えると、楽天市場以外の家計支出が大きい家庭なら埋めやすい差ではあります。
数字以上に気になったのは、SPUを維持するために条件を追い続けることでした。
以前は「あと0.5倍上げられるなら」と組み合わせを考えるのも楽しめていましたが、サービスや条件が変わるたびに最適化するのはだんだん疲れてきました。楽天市場の倍率を少し上げるより、普段のカード利用が素直に最大2%になる方が、今は気楽です。
ポイント経済圏をきっちり最大化するところから少し離れる。そのきっかけとしても、今回の乗り換えはちょうどよさそうに感じています。
振込やATMは、家計用ならみずほでも十分そう
カード還元が良くても、銀行として使いにくければ家計のメイン口座にはできません。振込やATMも比べました。
| 項目 | 楽天銀行 | みずほ銀行 |
|---|---|---|
| 普通預金金利 | 年0.40% | 年0.40% |
| 主な優遇金利 | 楽天カード引落で年0.42%、マネーブリッジで最大年0.48% | 常設の大きな上乗せは特になし |
| 他行振込手数料 | 通常145円、ハッピープログラムで最大月3回無料 | みずほダイレクトなら110円、条件達成で月3回無料 |
| ATM優遇 | ハッピープログラムで最大月7回無料 | みずほ・イオン銀行ATMの時間外手数料無料、イーネット月3回無料など |
| 実店舗 | なし | あり |
| 通常カード還元 | 楽天カード1% | みずほ楽天カード最大合計2% |
楽天銀行のハッピープログラムは、残高や取引件数に応じてATM手数料が最大月7回、他行振込手数料が最大月3回無料になります。コンビニATMをよく使うなら、ネット銀行らしい使いやすさがあります。
みずほ銀行は、みずほ楽天カードの利用でみずほマイレージクラブのSステージ特典を受けられます。みずほ銀行・イオン銀行ATMの利用手数料・時間外手数料が無料、イーネットATMが月3回まで無料、みずほダイレクトからの他行宛振込も月3回まで無料です。
無料回数を超えた他行宛振込も、みずほダイレクトなら1件110円です。
ATMを毎月何度も使うなら楽天銀行に分があります。家計口座として他行振込が月3回程度で足りるなら、みずほへ移しても大きく困る場面は少なそうです。
外貨受取はほぼ同額。海外送金は楽天銀行がかなり強い
海外サービスを使うことがあるので、外貨まわりも確認しました。
海外や国内他行からの外貨送金を受け取る場合、楽天銀行の受取手数料は1件2,450円。みずほ銀行は個人なら1件2,500円で、ここはほぼ同じです。
海外へ送金する側は楽天銀行がかなり安く、個人向け海外送金の送金手数料は750円。中継銀行手数料を送金人負担にする場合は1,000円、円貨送金なら別途3,000円がかかります。
みずほ銀行の海外送金は楽天銀行より高いため、海外送金を頻繁に使うなら楽天銀行を残しておく意味があります。
このあたりは、楽天銀行を解約せずサブ口座に残しておけば済みます。家計のメイン口座を移すことと、口座そのものを手放すことは別に考えた方がよさそうです。
実店舗がある安心感は、家族の口座では地味に大きい
普段の銀行取引はスマホで済むので、実店舗の有無を意識する機会はほとんどありません。
家族のメイン口座となると、少し事情が違います。自治体や住宅、学校などの口座振替は対応金融機関が個別に決められており、ネット銀行への対応も広がっていますが、すべてが一律ではありません。
相続や代理人手続き、特殊な外国送金など、普段は使わない例外処理もあります。そんなときに実店舗へ相談できるのは、スペック表には出にくいメリットです。
みずほ銀行も、日常利用まで昔ながらの紙と印鑑に頼るわけではありません。現在の口座開設はスマートフォンで完結でき、印鑑レス口座なら印鑑も不要です。窓口で印鑑レス取引に対応する仕組みも用意されています。
普段はネット銀行に近い使い方をして、困ったときには店舗へ相談できる。このハイブリッドさは、個人の投資口座より家族の生活口座で効いてきそうです。
家族カードも使えるので、家計決済をまとめやすい
家計用カードとして確認しておきたかったのが家族カードです。
みずほ楽天カードは家族カードに対応しています。楽天カードの家族カードは通常年会費無料で、本カード1枚につき2枚まで発行可能。利用額は本カードとまとめて引き落とせます。
みずほ銀行の案内でも、みずほ楽天カードの家族カード利用分は本カード利用額と合算され、みずほポイント進呈の対象になると明記されています。
本人だけカードを変えるのではなく、家族の生活費も最大2%還元へまとめられます。家族カード、ETC、スマホ決済など、家計用として欲しい機能は一通りそろっています。
この点は、冒頭で感じていた「家族まで巻き込むのが面倒」という引っかかりへの答えでもあります。どうせ家計カードを見直すなら、本人カードだけでなく家族カードまでまとめて変えられる方が運用としてはきれいです。
家計はみずほへ。楽天銀行はサブに残す
ここまで比べても、楽天銀行そのものの評価は高いままです。普通預金金利、マネーブリッジ、ATM、海外送金など、今でも強いところがあります。楽天証券へ現金を頻繁に動かす人や、普通預金にまとまった資金を置いて金利優遇を使う人なら、家計口座として残す理由も十分あります。
筆者の使い方はそこから少し外れています。楽天銀行は家族の家計口座で、普通預金を大量に置いているわけではありません。楽天証券への資金移動もクレカ積立が中心で、その積立はみずほ楽天カードの方が還元面で有利です。
楽天銀行SPUが下がるのは惜しいものの、そのために経済圏の条件を追い続けるより、家計の通常決済を最大2%へ寄せる方が今の使い方には合っています。
現時点では、家計のメイン口座をみずほ銀行へ移し、日常決済と楽天証券のクレカ積立もみずほ楽天カードへ変更するつもりです。家族カードもまとめます。楽天銀行は解約せず、海外送金など必要なときに使うサブ口座として残します。
カードだけ切り替えて、毎月楽天銀行からみずほ銀行へ資金を動かす運用にはしません。家計のお金の入口からみずほへ変えた方が単純です。
長く使ってきた楽天銀行+楽天カードの組み合わせを崩すのは少し惜しい。それでも調べてみると、みずほ側へ移して失うものは思っていたより少なく、今の家計では得られるものの方が大きそうでした。
「楽天のサービスを使っているから楽天銀行」ではなく、実際に家計で使っている機能だけで選び直す。筆者には、そのタイミングが来たようです。


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