プラチナプリファード解約後の外貨決済はどうする?手持ちのクレジットカードの海外事務手数料を徹底比較

プラチナプリファード解約後の外貨決済はどうする?手持ちのクレジットカードの海外事務手数料を徹底比較

身近に増え続ける「外貨決済」と無視できない海外事務手数料の値上げ

海外旅行に行かない場合であっても、ChatGPT Plus(月額20ドル)のサブスクリプション支払い、NotionやGitHubといったITツール、ドメインやレンタルサーバーの維持費など、日本国内にいながら「外貨決済(主に米ドル建て)」が発生する機会が増えてきていると感じています。

しかし、2024年から2025年にかけて主要なクレジットカード会社がこぞって「海外事務手数料」を値上げしました。そのため、何の対策もせず手持ちのカードでドル建て決済を続けていると、知らないうちに手数料分のコストが上乗せされ、家計の固定費がじわじわと押し上げられてしまいます。

筆者の場合、これまでは海外利用で合計3.0%還元という圧倒的な還元率を誇る「三井住友カードプラチナプリファード」を使っていました。海外事務手数料が3.63%(税込)に引き上げられてからも、実質的な自己負担はわずか0.63%に抑えられるため、外貨決済における最強カードとして重宝していました。しかし、33,000円(税込)という高額な年会費もネックとなり、ライフスタイルの変化に伴って同カードを解約することにしました。

プラチナプリファードを手放した今、手元に残ったクレジットカードの中で、できるだけ海外事務手数料を抑えて決済する方法を検証してみました。

結論:外貨決済におけるおすすめ3ルート

結論から言うと、プラチナプリファードを解約した後の外貨決済は、支払いの目的や決済ブランドの対応状況に合わせて、次の「3つのルート」に整理するのがよさそうです。

flowchart TB
    Start["外貨決済が発生"] --> Dec{どのような決済か?}
    Dec -->|"ドル建ての固定費<br>(ChatGPT Plusなど)"| RouteA["【ルートA】住信SBIデビットPoint+(米ドル決済)<br>(事前両替で実質負担約0.04%/年30回まで)"]
    Dec -->|"ドル以外の外貨<br>または普段の買い物"| RouteB["【ルートB】住信SBIデビットPoint+(円決済)<br>(Mastercardで汎用性抜群/実質負担0.50%〜1.25%)"]
    Dec -->|"JCB加盟店かつ<br>JCBブランド所持"| RouteC["【ルートC】ビックカメラSuicaカード(JCB)<br>(クレジットカード最安/実質負担1.10%)"]
  1. ルートA」月々のドル建て定期決済(ChatGPT Plusなど)
    住信SBIデビットPoint+(米ドル決済)
    事前に米ドルを購入して外貨普通預金口座から直接引き落とすことで、年間30回まで事務手数料が実質無料になります。為替スプレッド(片道6銭=約0.04%)という最小限の為替コストだけで決済できるため、ドル建ての支払いに最もおすすめのルートです。
    (実質コストだけを見れば最有力候補なのですが、外貨残高の管理や両替タイミング及び回数を考える必要があるので、筆者は気の向いた時しか使わないかもしれません・・・)
  2. ルートB」一般的な海外ショッピングや米ドル以外の通貨
    住信SBIデビットPoint+(円決済)
    手続きなしで円口座から自動引き落としされる通常のデビット決済です。手数料2.50%に対して1.25%〜2.0%(スマプロランクにより変動)のポイント還元が得られるため、実質的な負担は0.50%〜1.25%で済みます。Mastercardブランドなので世界中で安心して使えるのも心強いポイントです。
    (使い勝手の良さから、筆者はこれをメインの海外決済用カードとしたいと考えています)
  3. ルートC」JCBが使える海外オンラインショップや旅行先
    ビックカメラSuicaカード(JCB)
    ビューカードのJCBブランドだけが手数料改定を免れ、1.60%のまま維持されているのを利用します。還元率0.5%を引いても実質負担は1.10%となり、クレジットカード決済の中ではとても優秀な選択肢となります。

そもそも「海外決済手数料」とは何か?円建て払いとの違い

海外での買い物やインターネット上のドル建て決済を行う際、日本円での引き落とし額は「為替レート」だけで決まるわけではありません。

クレジットカードで外貨決済を行った場合、引き落とし額は国際ブランド(Visa、Mastercard、JCBなど)が定める「基準為替レート」に、カード発行会社が独自に設定した「海外事務手数料(事務処理費用)」を加算したレートで計算されます。

具体的には、以下のような計算式になります。

\text{円換算支払額} = \text{決済外貨額} \times \text{基準為替レート} \times (1 + \text{海外事務手数料率})

例えば、1ドル=150円の基準レートの日に、海外事務手数料率3.85%のカードで100ドルの買い物をした場合の円換算額は以下の通りです。

\text{円換算支払額} = 100 \text{ドル} \times 150 \text{円} \times (1 + 0.0385) = 15,578 \text{円}

手数料が加算されることで、実質的に「1ドル約156円」で買い物をしていることになり、為替レート単体よりも多くの日本円を支払っています。

この「海外事務手数料」の存在を知らないまま外貨決済を続けていると、請求時に手数料分が上乗せされ、知らないうちに損失を被ることになります。

手持ちカード8枚+プラチナプリファードの海外決済スペック比較

手元にあるクレジットカードとデビットカード8枚に、以前使っていたプラチナプリファードを加えた9つの決済手段について、最新の手数料と還元率、および実質負担(手数料から還元率を引いた実質コスト)を一覧表にまとめました。数値は2026年6月時点の調査に基づきます。

Note

実質負担コストの計算方法

\text{実質負担コスト} = \text{海外事務手数料} - \text{ポイント還元率}

この数値が低いほど、外貨決済時の実質的なコストが少なくなります。

決済手段国際ブランド海外事務手数料通常還元率(海外)実質負担コスト
住信SBIデビットPoint+(米ドル決済)Mastercard2.50%(※注1)0.0%(外貨決済は対象外)約0.04%(為替スプレッドのみ)
三井住友プラチナプリファード(※解約済)Visa3.63%3.0%(基本1.0%+海外2.0%)0.63%(※要年会費33,000円)
ビックカメラSuicaカード(JCB)JCB1.60%0.5%(JRE POINTのみ)1.10%
住信SBIデビットPoint+(円決済)Mastercard2.50%1.25%〜2.0%(スマプロランクにより変動)0.50%〜1.25%
楽天カード各種3.63%1.0%2.63%
PayPayカード各種3.85%1.0%2.85%
ローソンPontaプラスMastercard3.85%1.0%2.85%
オリコカード各種3.85%1.0%2.85%
Oliveフレキシブルペイ(一般・クレジット)Visa3.63%0.5%3.13%
エポスカード(一般)Visa3.85%0.5%3.35%
ビックカメラSuicaカード(Visa)Visa3.85%0.5%(JRE POINTのみ)3.35%

※注1:住信SBIネット銀行の「デビットカード海外事務手数料優遇プログラム」の適用により、発生した手数料(2.50%)が年間30回までポイントバックされ、実質無料になります。

各カードの海外決済の使い勝手と注意点

住信SBIデビットPoint+(Mastercard)

住信SBIネット銀行が直接発行しているMastercardブランドのデビットカードです。このカードには海外決済における「円決済」と「米ドル決済」の2つの選択肢があり、どちらも非常に優秀なスペックを持っています。

  • 円決済(円口座引き落とし)
    海外事務手数料は2.50%かかりますが、デビットカードPoint+の強みである1.25%〜2.0%(スマプロランクにより変動)のポイント還元が適用されるため、実質負担は0.50%〜1.25%に抑えられます。クレジットカード各社が手数料を3%台後半に引き上げるなか、Mastercardブランドによる使いやすさとこの低コストさは一般カードのなかで頭一つ抜けています。
  • 米ドル決済(米ドル口座引き落とし)
    事前に住信SBIネット銀行の外貨普通預金口座に米ドルを預入れておくことで、米ドルから直接引き落とされる決済方法です。決済時には海外事務手数料(2.50%)を加算した金額が引き落とされますが、後日「デビットカード海外事務手数料優遇プログラム」によって、この手数料相当額(2.50%)がスマプロポイント(1ポイント=1円相当として現金交換可能)として全額ポイント還元されるため、実質無料になります。
    ただし、この米ドル決済を利用するにあたっては、以下の「3つの注意点」があります。

    1. 通常のお買い物ポイントは付与されない
      外貨口座からの引き落とし決済については、デビットカードPoint+としての通常のお買い物ポイント還元(1.25%〜2.0%)は対象外となります。
    2. 手数料相当のポイント還元は「年間30回」の上限がある
      発生した手数料(2.50%)がポイントで全額バックされ実質無料になるのは年間30回までです(毎年4月1日〜翌年3月31日までの年度単位でカウントされます)。OpenAI APIやAWSなどの従量課金サービスで、月内に細かな決済が何度も発生する用途に利用していると、あっという間に30回の上限を使い切ってしまいます。年間30回を超えた決済分についてはポイント還元されず、2.50%の手数料が自己負担となるため、基本的には「月1回の定期サブスク」や「旅行時の大きな買い物」など、決済回数が予測できるシーンに限定して利用するのが安全です。
    3. 為替レートの変動による逆ざやリスクがある
      円をドルに換えた(両替した)タイミングよりも、実際に決済(引き落とし)が行われたタイミングの方が円高ドル安になっていた場合、普通に円決済で支払っていた方が安上がりだったということになり、結果的に少し損をしてしまう可能性があります。為替相場の動きをある程度見極めて両替しておく必要があるため、完全なほったらかしにはできない悩ましさがあります。

ビックカメラSuicaカード

ビューカードが発行するビックカメラSuicaカードは、国際ブランドによって海外手数料の仕様が大きく異なる点に注意が必要です。

  • JCBブランドを選択している場合
    ビューカードのJCBブランドにおける海外事務手数料は1.60%と、改定を行っていないため非常に低く抑えられています。海外利用時においてビックポイントは付与されず、JRE POINTのみ(0.5%)の還元となりますが、実質負担は1.10%となり、手持ちのクレジットカードの中では最も手数料を抑えられます。
    ※注意:JCBブランドならどのカードでも手数料が安くなるわけではありません。楽天カード(JCB)やPayPayカード(JCB)のように、カード発行会社が海外事務手数料を独自設定している場合、JCBブランドを選択していても他ブランドと同様に3.63%〜3.85%の割高な手数料が適用されます(還元率もそれぞれ1.0%のままです)。かつてJCBブランドの手数料を1.60%に据え置いていたオリコカードも、2025年11月27日の改定でJCBを含む全ブランドが3.85%へ値上げされました。このように、低手数料(1.60%)の恩恵を受けられるのは、JCB本体が発行するプロパーカードや、ビューカードなどの一部の提携カードに限られる点に注意してください。
    ただし、JCBは手数料面で有利な一方で、海外発の一部のオンラインサービスや海外通販サイト(特にヨーロッパ圏のSaaSやホスティングなど)では、決済ブランドとして利用できないケースが依然として存在します。ChatGPT Plusなどのメジャーなサービスでは概ね利用可能ですが、万が一決済が通らなかった場合に備え、ルートB(Mastercard)の住信SBIデビットをサブとして用意しておく必要があります。
  • Visaブランドを選択している場合
    Visaブランドの海外事務手数料はすでに3.85%に引き上げられているため、実質負担は3.35%に達してしまい、海外決済で使うのは避けたほうが無難そうです。

楽天カードPayPayカードローソンPontaプラスオリコカード(通常還元率1.0%のカード)

これらのカードは通常還元率が1.0%と高めですが、近年相次いで手数料の改定が行われました。

  • 楽天カードは2025年3月1日利用分より海外事務手数料が3.63%に引き上げられ、実質負担は2.63%になりました。かつての「海外決済といえば楽天カード」という優位性は失われています。
  • PayPayカード、ローソンPontaプラス、オリコカード(THE POINTなど)はいずれも海外事務手数料が3.85%に引き上げられており、還元率1.0%を差し引いても実質負担は2.85%と高額です。

Oliveフレキシブルペイエポスカード(通常還元率0.5%のカード)

一般ランクにおける通常還元率が0.5%のグループです。

  • Oliveフレキシブルペイ(一般)は海外事務手数料が3.63%に引き上げられ、実質負担は3.13%となります。
  • エポスカード(一般)は海外事務手数料が3.85%となっており、実質負担は3.35%に達します。(※エポスゴールドで年間100万円利用によるボーナスポイントを加味し、実質還元率を1.5%まで高めている場合は実質負担を2.35%に抑えられますが、それでも上位候補には及びません)

ChatGPT Plusを1年間利用した場合の差額をシミュレーション

パーセンテージだけでは実感が湧きにくいため、実際に「ChatGPT Plus(月額20ドル)」を1年間契約し続けた場合(年間240ドル)の合計円換算額と実質負担額の差をシミュレーションします。

  • 前提レート:1ドル=155.00円(基準為替レート)
  • 基準支払額:240ドル×155円=37,200円
決済手段実質負担コスト率年間支払総額(円)実質負担コスト額(円)1年間での差額(対最安値)
住信SBIデビット(米ドル決済)約0.04%37,214円約14円(※注2)基準値
ビックカメラSuicaカード(JCB)1.10%37,796円約409円+395円
住信SBIデビット(円決済)0.50%〜1.25%38,130円186円〜465円+172円〜+451円
楽天カード2.63%38,550円約978円+964円
PayPayカード2.85%38,632円約1,060円+1,046円
Oliveフレキシブルペイ(クレジット)3.13%38,550円約1,164円+1,150円
エポスカード(一般)3.35%38,632円約1,246円+1,232円

※注2:住信SBIネット銀行にて日本円をあらかじめ米ドル普通預金として購入する際の為替スプレッド(1ドルあたり6銭)から算出。

最も実質コストが低い住信SBIデビットの米ドル決済(年30回の優遇枠内)と、一般的なクレジットカード(エポスカードなど)を比べると、年間で約1,200円もの差が生まれます。ドル建てサブスクの数が増えれば増えるほど、この少しずつの差がじわじわと家計に響いてくることになります。


まとめ:年会費無料カードで外貨決済コストを抑える方法

クレジットカードの海外事務手数料が次々と3.6%〜3.8%台に改定された結果、かつての「使い慣れたメインのクレジットカードでそのまま海外支払いをする」というやり方は、最も損をしてしまう選択肢に変わってしまいました。

年会費無料のカードを中心に組み立て直すなら、プラチナプリファードのような「高還元率で手数料を無理やり相殺する」方法から、「住信SBIデビットPoint+による外貨口座引き落とし」や「JCBブランドの低手数料を活用する」アプローチへと、頭を切り替えるのがスマートです。

客観的な最適解(最安ルート)は、やはり月々の支払いを住信SBIデビットの「米ドル決済」に割り当てる方法です。しかし、筆者個人のスタンスとしては、外貨口座の残高管理や両替タイミングの悩みから解放される「円決済(Mastercard)」のシンプルさが気に入っており、こちらをメインに使うことにしました。自動で引き落とされ、1.25%〜2.0%(スマプロランクにより変動)のポイント還元があるため、実質負担は0.50%〜1.25%に抑えられます。管理の手間や心理的コストを省く快適さを重視するなら、円決済でも十分すぎるほどお得な体制を維持できます。

しかし海外決済からの検証を終えて、改めて「住信SBIデビットカード Point+」の隙のなさが光りますね!

海外事務手数料やポイント還元の改定は今後も続く可能性がありますが、一度カードを作ったら終わりではなく、定期的に手数料や還元率を見直しながら、その時点で最適な決済手段を選んでいきたいと思います。

一次情報リンク