GA4を開く回数が、前より減りました。
嫌いになったわけではありません。できることは多いし、広告やコンバージョンをきちんと分析するなら今でも強い。ただ、今日のアクセスをちょっと見たいだけなのに、GA4を開くと妙に「さて、分析するか」という気分になるんですよね。
ユニバーサルアナリティクス(UA)の頃は、もっと雑に見ていました。
今日どれくらい人が来たのか。どのページが読まれているのか。どこから流入しているのか。ひとまず眺めて、気になる動きがあれば少し掘る。それで十分な日も多かった気がします。
アクセス解析って、もっと体温計くらい気軽に見てもよかったんじゃないか。
Ahrefsが2024年12月に公開したAhrefs Web Analyticsを触っていて、そんなことを思いました。
GA4とAhrefs Web Analyticsは、そもそも役割が少し違う
両者は同じアクセス解析でも、狙っている範囲がかなり違います。
| 比較項目 | Google Analytics 4(GA4) | Ahrefs Web Analytics |
|---|---|---|
| 主な用途 | 詳細な行動分析、広告・Google製品との連携 | 日常的なトラフィック把握 |
| 設計 | 多機能でカスタマイズ性が高い | 必要な指標を絞ったシンプルな構成 |
| Cookie | 標準的なWeb計測ではファーストパーティCookieを使用 | デフォルトではCookieを使用しない |
| スクリプト | 多機能な計測タグ | 公式値で約2KB |
| AI経由の流入 | データから分析可能 | AIトラフィックとして標準表示 |
| 無料枠 | 基本無料 | プロジェクトごとに月100万イベントまで無料 |
Googleの公式ドキュメントによると、GA4のJavaScriptタグは標準的なWeb計測でファーストパーティCookieを使い、ユーザーやセッションを区別します。ただし、Consent ModeでAnalytics Storageを無効にした場合など、Cookieを保存しない構成も可能です。
GA4はイベントを軸に細かなユーザー行動を分析でき、Google広告やBigQuery、Looker Studioなどとの連携も強力です。分析基盤として考えれば、できることは明らかに多い。
Ahrefs Web Analyticsはそこを競っているようには見えません。ページビュー、流入元、地域、デバイス、イベントなど、日々確認したい情報へ早くたどり着くことを優先しています。
GA4が検査室なら、Ahrefs Web Analyticsは体温計に近い。
もちろん体温計だけでは詳しい診断はできません。でも、毎朝ちょっと調子を見るのに、毎回フルコースの検査をする必要もないわけです。この割り切りは結構好きです。
Cookieを使わないことも、面倒をひとつ減らしている
Ahrefs Web Analyticsは、デフォルトではCookieを使用せず、個人データや個人を特定できる情報を収集・保存しないとAhrefsは説明しています。
導入側から見ると、この単純さはありがたい。ただし、Cookieを使わないから同意管理やプライバシー対応が必ず不要になる、という意味ではありません。
Ahrefs自身も、適用されるプライバシー法制やGDPRなどへの対応責任はサイト運営者側にあると案内しています。サイトの構成、ほかに導入している広告・計測サービス、対象地域によって必要な対応は変わります。
なので「Cookieバナーが絶対いらない」と考えるより、プライバシー対応を複雑にする要素をひとつ減らしやすい、と見るくらいがよさそうです。
計測スクリプトも公式値で約2KB。Ahrefsはイベント発生から1分以内にアクセスを確認できるとしています。
ここでも、Ahrefsが目指しているのは「高度なことを何でもできる」より「見たいときにすぐ見る」なのだと思います。
AI経由の流入が最初から見えるのは今っぽい
個人的に一番気になったのは、ChatGPT、Perplexity、Geminiなどからの流入を「AI traffic」として確認できることでした。
検索エンジンからの流入だけを見ていればよかった頃と違って、今はAIサービスの回答からサイトへ来るケースもあります。Ahrefsではそれを標準の画面で分けて確認できます。
とはいえ、ここは少し冷静に見た方がいいところでもあります。
見えるのは基本的に、AIサービスから実際にサイトへ流入したアクセスです。「AIに何回引用されたか」を全部把握できる機能ではありません。AI時代のアクセス解析をすべて解決するわけではない。
それでも、最初からそこを1つの流入元として見せているのはAhrefsらしいな、と思いました。今のWebで何を観測したいかが、そのまま画面に出ている感じがあります。
シンプルだけど、さすがに体温計だけではなくなってきた
Ahrefs Web Analyticsは、単純なページビュー確認だけのツールでもありません。
2026年8月時点では、ファネル、カスタムイベント、UTMによるキャンペーン計測などにも対応しています。Googleアカウントをプロジェクトへ接続していれば、ネイティブ計測を始める以前のGoogle Analyticsデータを取り込む機能もあります。
無料アカウントでは、プロジェクトごとに月100万イベントまで利用できます。個人ブログや中小規模のサイトなら、まず試すにはかなり余裕があります。
機能が増えてくると「シンプルとは?」という気もしてきますが(笑)、それでも画面の中心はアクセス解析から大きく外れていません。
高機能になっても、道具としての距離感が遠くならない。ここはGA4と比べたときに、数字以上に大きな違いだと思います。
GA4を捨てるより、見る頻度を分けたい
Ahrefsの公式ページには「Ready to ditch Google Analytics?」とあります。
でも、筆者ならGA4を外すというより、まず併用します。
Google広告を運用している。複雑なコンバージョンを追いたい。BigQueryへデータを送って分析したい。そういう用途では、GA4を使う理由がはっきりあります。
一方、毎日のサイト運営で知りたいことは意外と素朴です。
- 今日どれくらい読まれているか
- どのページが伸びているか
- どこから人が来ているか
- AIサービスから流入があるか
これを見るたびに毎回「分析モード」に入る必要はないんですよね。
だから、GA4が高機能すぎるからAhrefsへ移る、という二者択一ではなく、日常の確認と深い分析を分けるのが筆者にはしっくりきます。
普段はAhrefs Web Analyticsで体温を測る。数字に妙な動きがあったり、広告やコンバージョンを詳しく追いたくなったりしたらGA4を開く。
アクセス解析は、分析のためだけの道具ではなく、サイトの様子をなんとなく知るための道具でもあります。そう考えると、毎日使う側はこれくらい気軽でもいいのかもしれません。






